【迷っている人向け】NISAってどんなもの?ざっくり説明します!

この記事は約13分で読めます。

NISAって何?

NISAは “Nippon Individual Savings Account” の略。
少額の投資について、その運用益を非課税にするしくみです。

あなたが証券会社などにNISA口座を開き、その中で一定の限度額までの投資をする場合に限り、売却益や配当・分配金について非課税にしますよ、という国の制度です。

NISAの枠組みを使わず(またはNISA枠の上限を超えて)運用する投資の運用益については、本来、約20%の課税があります。たとえば運用益10万円なら、通常は2万円課税で持っていかれて手元に残るのは8万円だけですが、NISAを使えば非課税になり10万円全部あなたのお金になります。
2万円残るか残らないかはかなり大きいですよね!

では、気になる部分を順に説明してみますね。

ここが気になる!

お金持ちじゃないから、資産運用なんて自分には無縁なのでは?

お金持ちじゃない人こそ資産運用・資産形成を真剣に考えたほうがいいです!

老後に2000万円必要、などのニュースが話題になったことがありますよね。
実際にいくら必要になるかは個別状況によるとはいえ、将来、預金など金融資産が今と同じレベルのまま高齢になったり病気・怪我などで働けなくなる場合を想像してみてください!
生活費、医療費、それにもしかしたら自分だけではなく家族も医療費や介護費用が必要かも? 冠婚葬祭だってあります。
また、お子さんがいる方は教育費もかけてあげたいですよね。

でも今どきお給料はそんなに順調に増えていきません。物価も上がっていきます。物価が上がるということは、ずっと同じ100万円を持っていても今と10年後では相対的な価値が減っていってしまうということです。
今の食費を10年間保つとしたら、モノの値段がどんどん上がっていくから買えるものが減り、同じ食生活はできなくなるんです。

たとえば40代の私が子どもの頃、ハガキは1枚40円くらいで送れるものでしたが、2024年10月1日からは1枚85円になります。
値上がり2倍以上ですよ。エグい。

こうしてあらゆるモノが高くなっていきます。
なのに今のお給料からちまちま銀行預金してるだけでは残る量もたかが知れてる。
億万長者になるのは夢としても、できる範囲で少しでも資産を増やしておきたいと思うのではないでしょうか?

その「できる範囲」の有効度を高めてくれるのがNISA制度です。

投資は貯蓄より有利なの?

一概に言えませんが、現在日本の銀行預金は金利が極めて低いため、利回りレベルでいうと株や投資信託のほうがはるかに高いです。

ただし安全性で言うと国内銀行の預金は「置いといたら減った」ということはありませんし、ペイオフの仕組みもあります。そのため、市場次第で元本割れすることもある投資よりも安定はしていて、すぐ下ろして使うこともできる手軽さも有利です。

じゃあ投資ダメじゃん、と思ってしまいそうですが、全部ダメなのではなくて、うまく条件を選ぶことでデメリットを抑えることができます。

分散はパワー

多分誰しも一番恐れるのは、
なけなしの貯金を全部かき集めて一括で突っ込んだら高値掴みしてしまった上、その後価格下落して大損を出してしまった
というパターンですよね。投資リスクのイメージそのものです。
ではこれを順番に、要素に分けてみましょう。

生活資金・生活防衛資金は絶対に守ろう!

▶「なけなしの貯金を全部かき集めて一括で突っ込んだら高値掴みしてしまった上、その後価格下落して大損を出してしまった」

ダメです。有り金全部みたいな動かし方は本当にダメ。危険です。

何のために資産運用をしたいか考えてみてください。
「将来、銀行預金しておくよりも増えていたら助かる!」
という目的ですよね。その将来まで生活が保たなかったら意味はありません。
資産運用は余剰資金で行うのが大原則です。生活資金と生活防衛資金(緊急時の備え)から削るのは絶対NG。
それに、生活費や緊急時費用は必要な時すぐに使える必要があるので、現金化に時間のかかる金融商品に換えてしまうのは不適切です。

思い出してほしいんですけど、私たち、資産は少ないしお給料はそんなに高くないし物価は上がるしヤバいわ〜、と思って資産形成を考え始めましたよね。生活にそれほど余力ないですよね(笑)
その余力のない生活からさらに大幅に削るのはそもそも無理です!
投資に回す余剰資金と生活資金・生活防衛資金は分けておいてください。分散です。

※それはそれとして、なぜ生活に余力がないか? という分析はとても有益ですのでやってみてくださいね。
要らないサブスク解約するとかスマホ代プランや保険を見直すとか、タバコをやめてみる、コンビニで本当は要らないものまで買うのをやめる、など人により何かしら削れるものはあります。
生活を壊さない程度に!

素人に相場の見極めはムリ!

▶「なけなしの貯金を全部かき集めて一括で突っ込んだら高値掴みしてしまった上、その後価格下落して大損を出してしまった」

タイミングは測れないものだと思っておきましょう。
頑張れば誰でも値上がりする商品を安く買えると自信を持てますか?
バリバリ勉強したプロの投資家たちでさえ大負けします。我々素人には無理。
じゃあどうしたらいいか?

高値で買っても、買った量が少しなら傷は小さくて済みます。
一方、安値の時にも買えれば相殺されていきます。この安値の時に多めに買えたらよりいい感じですよね。
そして上がり下がりがありつつも長期的には上がっていく商品なら、初期に買った分はコスパよく利回りが出てきます。
つまり、長期的に上がっていきそうな商品を少しずつ、何回にも分けて買い続け、長く持ち続ければ、一括購入の高値掴みで損するリスクは抑えることができます。

安い時だけタイミングを見計らって買うのは難しいのですが、高い時も安い時も両方で買うとすれば、より安い時に多めに買うのはかんたんです。
常に値動きする商品を毎回1口など口数で買うのではなく、「毎回定額ずつ」という買い方なら、高い時は少ない量を、安い時は多めに買い増して価格変動リスクを抑制していくことが可能ですよね。こういう買い方を『ドル・コスト平均法(定額購入法)』といいます。
しかも、毎月買うと決めておけば都度タイミングを自分で見なくても勝手に注文されていき、自動的に上記の買い方ができます。楽をしながら価格の分散と時間的分散ができるのです。

上昇が確実そうな商品は選べる

▶「なけなしの貯金を全部かき集めて一括で突っ込んだら高値掴みしてしまった上、その後価格下落して大損を出してしまった

価格と時間を分散してリスク軽減しても、商品そのものが値下がりし続けるならダメなのでは? と思われるでしょう。それはそう。
なので大きく見れば値上がりしていく商品を選びます。これは素人でもやればできるのです。

まず基本的に金融商品は、大儲けを狙えるような(市場平均よりたくさん利益が出るような)際どい運用をするものだと同じだけ大損のリスクも出てしまうものです。アクティブ銘柄とかレバレッジ銘柄とか言われるものがそうなんですが、違う性格の商品もあり、それがインデックス銘柄です。

インデックス銘柄は市場平均よりたくさん利益を出すのではなく市場平均・株価指数(インデックス)に連動するような利益を出すことを目指し、よりマイルドに動く商品です。
狙うプラスがマイルドならマイナスの波もマイルドです。またその市場平均はたくさんの株価によって構成されていますので、個別株や爆益しそうなトンガった株だけ集めた商品に比べ、中身に上がってる株も下がってる株もたくさん含まれる、分散のきいた商品と言えます。価格の変化がそれぞれ違うものをよりたくさん組み合わせて分散してあるほうが、全体の値動きはおとなしくなりますよね。

でも株価指数って下落幅がニュースになったりするじゃん大丈夫? と思いましたか?
ニュースちゃんと見てますね! えらい!
ふざけてるわけではなくて、インデックス投資するならその商品が目指すインデックス(東京株価指数、日経平均、アメリカならS&P500とか)がどんな感じになってるかは最低限見ておいたほうがよく、すでにニュースの記憶があるなら投資開始後も新しくたくさん勉強しなくて済みそうだよ、という意味です。

ではインデックスは落ち続けるか?
これは短期で見るか長期で見るかで変わってきます。
短期で利益を出そうとしているならニュースに時々出るような「今年一番の下落幅」などが大事になってきますが、我々が今検討しているのはNISAで、買い方は金額と時間を分散し、長く持ち続けることで利益を出そうとしています。
売らずに長く持つのです。長くってどのくらい?
試しに自分が定年するまで(60〜70歳が多いと思います)、あと何年あるかで考えてみてください。もう40代の私でさえ残り20年くらいはあります。もっと若い人ならさらに長く運用を続けることになるでしょう。
その指数が20~40年のスパンで上がりそうかどうかを見ないといけないのです。
20年後のことを、今年ここまでの短期間の上げ下げだけをサンプルに判断できるか? というとそうではなくて、各インデックスがここまでの長い年月どんな風に動いているかを大きく見る必要があります。
1年上がったからあと20年上がり続けるはず、とは言い難いですが、ここまで30年おおむね上げてきてると分かれば今後20年も派手に落ちて落ちっぱなしにはならないだろうと予想できますよね。

これは自分でパッと見たほうが早いですし、感覚もつくので是非やってみてください。Google Financeから主要指標のリンクをいくつか張ります。どれでもいいので開いてみて、チャートを確認してください。デフォルトでは過去1日の値動きチャートですが、過去1年、5年、最大(その指数のスタート以来または記録以来)などに切り替えることができます。

【日本の主要指数】
日経平均株価
東証株価指数(TOPIX)
【アメリカの主要指数】
S&P500
ダウ平均株価
ナスダック総合指数

期間を切り替えるとチャートの印象が全く変わってくるのが分かるでしょうか?
(2008年にリーマンショック、2020年コロナ禍スタートがあったことは含んだ上で見てくださいね!)
短い期間のチャートだと絶え間ない上げ下げがとても気になりますが、長期のチャートを見ると大小の振れ幅を持ちながらも全体としてはゆっくり上がっていくように見えてくるものが結構ありますよね。特にアメリカの指数。
これなら、無理のない量だけ買いながら下げの時にも我慢して持ち続けていれば、最終的には元本より増える公算が高い感じがしませんか?

その最終段階でリーマンショックみたいな爆下げ時期が来たらどうするんだよ、という問題は一応あります。
あらかじめ株価依存の資産とそれこそ銀行預金や債券のような動きにくい資産に分散しておいて備えるか、その爆下げ時期もいずれ終わって上がると経験則から信じて予定よりちょっと長く待つか、というあたりは考えておく必要があります。

というわけで、何もかも分散したら素人でも結構強くなれる!
概ね上がっていきそうな指数に連動するインデックス商品を選ぶのがよさそうです。

誰でもNISAを利用できるの?

日本に住んでいる18歳以上の人なら可能です。
外国籍であっても条件により可能とのことですが、どこの国に納税しているかなど状況により変わってくるようですので必要に応じて調べてみてください。
逆に日本国籍であっても海外在住になる場合は、口座の維持ができなかったり国外在住中の買い付けができないことがあります。こちらも必要に応じて必ず調べてみてくださいね。金融機関によっても取り扱いが違います。

NISA口座を持つのって簡単?

私の実体験ではかなり簡単でした。口座を作ったのはSBI証券でしたが、スマホと身分証明書があればネット完結で開設できます。
NISAは国の制度ですし、各証券会社も基本的にお客さんウェルカムなので、一部のすごく頭のいい人しか運用に辿り着くことができないというようなハードルの高い作りにはなっていません。あまり恐れる必要はないです。

どんな銘柄にどのくらい投資したらいい?

銘柄については「2-2-3 上昇が確実そうな商品は選べる」で記載の通りです。
ゆるゆるでも長期的には上げていくことが確実そうな指数に連動したインデックス投資が適しています。
その中でも、銘柄自体の純資産が多く(買っている人がたくさんいて資金が潤沢)、信託報酬(管理費みたいなもの)が高くない銘柄を選んでみるのがよいでしょう。

月どのくらい投資したらいいかについては、自分の余剰資金と毎月の生活費等を確認し、「月いくらなら無理なく積み立てられるか」を決めます。ここであんまり大変な設定をしてしまうと続きません。
少しずつでも長期で持っていれば確実に複利運用のメリットが出てきますので、月額を決めてみてください。
現行NISAのつみたて投資枠は年間120万円が上限なので、完全自動化で毎月投資するならMAX月10万円です。私はそんなに入金力がないので月4万円にしてます!
もっと出せるんですけど! という人は、成長投資枠を併用しボーナス時などにスポット買いするのもいいですね。

私自身がどうしてNISAを始め、どんな銘柄を買ってきたかはこのページ↓にかなりしつこく(笑)書いています。
興味が出たら各銘柄を調べて色々比較してみてください!


株って暴落するのでは?

暴落はします!!!!!(とても残念ですが、これはどうしても起こります)
でもさっき「2-2-2 素人に相場の見極めはムリ!」「2-2-3 上昇が確実そうな商品は選べる」で見てきた通り、相場は読めないかわりに長期分割買いでリスクを緩和し、大幅に下げても待てば回復していく指数に連動した商品を選べば少しは耐えられます。
ここで「自分はどのくらい耐えられるか?」については、残り運用年数、開始時の資産状況などによって変動してきます。全額を株式メインの投資信託に振るのではなく一部は定期預金や債券にするなどして値動きを抑えるバランスをとるのがおすすめです。また、最初から株式・債券などを混合したバランス商品の投資信託もあります。

私のNISA運用状況をお見せします

2021年の途中から、当初月2万円、そのあとすぐ満額の月3.3万円、2024年からは上限額が上がりましたので少し積み増して月4万円を毎月自動で注文するよう設定しています。あと毎月分とは別にスポットで買ったのが少し。
その結果は、

2021年〜2024年8月21日現在 +860,143 +28.60%

けっこういいですよね? 同じ額をただ銀行預金していたら2桁円しか増えてないかもしれません。NISAにしておいてよかった!
でもこれ、調子悪かった2022年ころはマイナスになったりもしていたんですよ。
下げてるときは多めに買い付けながら長期で持っている、ということが本当に後から効いてくるんです。
注文設定したらたまに思い出してバランスをみる、くらいでほったらかすのが一番精神にいいと思います!

年別の結果はさっきも貼ったこの記事↓の方に載せています!
始めた次の年の2022年は本当にバチバチのマイナスでした(笑)でもこれも買いながら放置しました。上がるのは分かってたので……。

さっき+28.60%って書いて前の記事では+28.59%になってますが、リンク先の記事は今から1日前の数字です。
毎日変動してるので、このたった1日でまたジワ上がりしてるということになります。

まとめ

何だかいけそうな気がしてきましたか?
でも鵜呑みにはしないで、自分でも各証券会社や各銘柄の説明に目を通してみてくださいね。
最終的に下げ相場でも自分を信じるためには、
誰かを信じてその通りにしたのではなく、私の目的・目標額に沿って私が考え私が納得して始めたのだ
と思えることがとても大事です。そう思えるからこそ修正もしていけます。
自分の大事なお金です。よく考え、適切な場所に置いて、「そこにあるだけで利益を生んでくれる」人生の相棒にしてしまいましょう!

つみたてワニーサが可愛いので、金融庁の特設サイトも見てあげてください!
NISA基本知識、つみたてシミュレーターなどがあり、導入を考える役に立ちますよ!